「ひょっとしたら…」の時に知っておきたい、乳がんの初期症状・予防方法
自分で乳がんのチェックしたときに見つける乳房のしこり。しこり=乳がんだと考える方がいますが、しこりには良性と悪性があります。良性はがんではなく別の病気の症状で、悪性だと乳がんです。セルフチェックをしてみると良性のしこりと乳がんでは、それぞれ違う感触があります。ここでは良性のしこりと乳がんの見分け方について紹介しているので、ぜひ参考してください。
【記事監修】清水なほみ医師
ポートサイド女性総合クリニックビバリータ 院長
2001年広島大学医学部医学科卒業。広島大学附属病院産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科など数多くの女性医療を経験し、2010年9月にビバリータを開業。(所属学会:日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会・日本不妊カウンセリング学会)
※クリニックHP(http://www.vivalita.com/)
乳がんの症状で気づくことができる乳房のしこり。乳房のしこりに違和感があり、病院で検査して乳がんを発見する方が大勢います。ただし、しこりの約9割が良性なものだと言われており、乳腺症や線維腺腫などのケースが多数。そのため、乳がんと良性のしこりの見分け方を把握しておきましょう。セルフチェックで見分けることができれば病院へ検査を受ける際の判断材料の1つとして役に立ちますよ。
乳がんの場合、ゴツゴツやゴリっとした感触があり、乳房の中にしこりが埋まっているのかと思うくらい動きにくいのが特徴です。石のように硬いため、乳がんのしこりの感触をストーニー・ファームと呼ばれています。乳がんのしこりが動きにくいのは、周囲の組織に癒着(ゆちゃく)しているからです。痛みを感じないケースが多く、触ってみないと気づかないため、セルフチェックでしこりの感触を確かめましょう。
良性のしこりの場合、触ると弾力がある硬さでコロコロと動くのが特徴です。がんよりも弾力性があるので、その感触を「柔軟性のある柔らかさ」という意味であるエラスティック・ソフトと呼ばれています。よくグミのような感触であると例えられているそう。痛みがあるなら乳腺炎、しこりを押しても痛みがないなら線維腺腫など別症状の可能性があります。
乳がんと良性のしこりでは硬さや感触に違いがあるため、その変化に気づくことが大切です。入浴する際に、マッサージをしながらでもチェックしてみて普段の乳房の硬さを把握しておくと良いかもしれませんね。そうすれば、乳房に違和感があったときにセルフチェックである程度診断することができますよ。
セルフチェックでは、鏡前で乳房の大きさや形をチェック。それから手で小さな「の」の字を乳房に書きながら、しこりがあるか確認しましょう。入浴中に泡を手につけて行なうと調べやすくなりますよ。
乳がんのリスクは多くの女性が抱えており、もし初期症状や兆候を感じたら、迷わず検診を受けるようにしましょう。定期的な検査をすることで、早期発見を心がけることも大切です。
そして、日ごろのセルフケアも心がけなくてはいけません。特に、30代をすぎると罹患率が飛躍的に向上してしまうため、注意が必要です。
乳房全体に広がっている乳腺にできる乳がん。乳房のどこにでも発症するリスクがあり、発生しやすい部位があります。その部位にしこりができると、乳がんである可能性も少なくありません。ここでは乳がんが発生しやすい部位についてまとめています。
乳房の痛みやしこりは全てが病気のサインというわけではありません。女性特有の身体や気持ちの不調の症状を引き起こす月経前症候群(PMS)のようにホルモンバランスが影響していることも。乳がんとしこり・乳房の痛みとの関係性についても紹介しているので参考にしてください。
乳房にしこりがあると乳がんと疑ってしまいますが、乳腺症や乳腺炎、乳腺線維腺腫など別の病気と勘違いしてしまうケースが多くあります。ここでは、それぞれ乳がんと間違えやすい病気についてまとめました。
月経前にしこりが大きくなり、月経後に小さくなるのが特徴的なのが乳腺症。乳房の痛みや張りを感じ、乳首から分泌液が出るといった症状が見られます。30~40代の女性に多い症状です。ホルモンバランスの乱れが原因で女性ホルモンの分泌が過剰になると現れやすくなります。乳房だけではなく、肩こりや頭痛など他の部位にも影響することがあるようです。
乳腺炎は産後の授乳期に発症しやすく、乳房に赤い腫れや痛み、しこりなどが現れる症状です。乳腺炎には2種類あり、乳腺に乳汁がたまって起こる「うっ滞性乳腺炎」や細菌が入って感染症を起こす「化のう性乳腺炎」など。「うっ滞性乳腺炎」の場合、乳房マッサージでたまった乳汁を出すと症状が楽になりますよ。「化のう性乳腺炎」の場合、消炎剤や抗生物質での治療が必要なので、病院で診てもらいましょう。
乳房にコロコロと動く1~2cmほどのしこりのことを乳腺繊維種と呼びます。痛みがなく、10~30代の方に現れる症状です。将来がんになる可能性が低く、治療する必要がありません。大きくなってしまった場合、本人が希望すれば手術で取り除くことが可能です。
紹介した3つの病気は、進行しても乳がんとなるリスクが低い良性のしこりです。そのため、不安や心配することはないでしょう。ただし、良性のしこりの中に悪性のしこりが隠れている可能性がないとは言えません。乳がんは11人に1人の確率で発症する病気なので、他人事だとは考えずに自分の身にも起こりえる病気だと認識しておきましょう。乳がんを発症しないために、乳がんに関する知識を備えておくことが大切です。セルフチェックで「乳がんじゃない」と自己判断しないように気をつけてくださいね。
匿名(女性)
健康診断を初めて受けに行ったのです。
それまでは健康にはかなりの自信があり、健康診断は毎年パスしていたのですが、たまたま職場の同僚から「もう、あなたも年なんだから1度ぐらい受けに行ったら」と言われ、「1度ぐらいは受けて見ようか」と、軽い気持ちで受けに行きました。
検査のほとんどは上々の結果でしたが(胃カメラも初めてにしてはうまく飲めたし)、マンモグラフィの結果について少々気になることを言われました。
「良性か悪性かは分からないが腫瘍らしきものがあるので精密検査をお勧めします」
でも、そのときの私は「どうせ脂肪の固まりかなんかに違いないわ。
精密検査なんてめんどくさー」といった感じでさっさと帰ってしまったのです。
匿名(女性)
20代半ばから、胸にしこりがあることには気づいていました。
そのため年に1度は地元ではがん治療に定評のある病院で細胞診をしていました。
そしていつも結果は「良性」。
しかし平成16年10月頃、しこりの数が多くなっていることに気づき、また、痛みもでてきたため検査をしたところ、「良性だと思うが悪性でないとも言い切れないので来週しこりをとる簡単な手術をしましょう」とのことでした。
2日ほど休みをとる必要があったため職場の上司に報告したところ、「自分の同級生に乳がん治療で有名な医師がいるから一度診てもらったほうがいい」との強い勧めをうけ、紹介状もなしでその先生のところを訪ねました。
マンモグラフィやエコー検査、触診の段階で、「90%悪性腫瘍です」との告知を受けましたが、そのときは「まさか、そんなはずはない」と軽く考えていました。
毎年検査をしていたのに、急に悪性になるなんてあるわけないと。
しかし、その場でエコー下で細胞診をして検査したところ、結果は悪性。
すぐに手術を勧められました。
井上 裕香子さん(女性)
TVで乳がんの番組を観たのを機に自己触診をしてみたところ、左乳房の内側のシコリに気づき、病院に行ってマンモグラフィ、超音波エコー、組織診をしました。
当初は良性のものだろう、と言われ、3ヶ月ほど経過観察をしていました。
ところが徐々に大きくなってきて痛みも出てきたので、切除することになり、切除した腫瘍の組織を病理検査したところ、がんだとわかりました。
私自身も家族も、良性だとずっと思い込んできたので、がんであったとの結果をしばらく受け入れられませんでした。
まみさん(女性)
画像診断は3人の先生にて実施されていました。
3人の内2人は「良性であろう。
」1人が「悪性かも?」という診断だったと記憶しています。
乳腺炎などではなく「何か」があることは確定されました。
ただマンモを受けた病院ではエコーは受けられないとのことだったため、別の病院を受診することに。
予約はやはり1週間後。
ただ、私のしこりはマンモグラフィーだとほとんど映らず、診察いただいた先生にも「触ると確かにあるんだけどねぇ、映らないねぇ」と言われました。
『たぶん"良性"だと思うけど、何かがあるのは事実だからエコー検査を受けてください。
』
『エコー検査でも何かが分からなければ、注射をしてしこりの細胞を少し採って検査に回します。
』
と言われエコー検査へ。
エコー検査も次の週になりました。
私のように「良性であると推測される」場合には検査も優先的には受けられません。
早く受けなさい、と急かされることもありません。
だって多分"良性"で緊急性が低いから。
説明してくださる先生にもリラックスムードが流れ緊迫感もありません。
だから自分自身も次の検査までに時間がかかろうと焦ることもありませんでした。
ここで検査を止めないで良かった。
マンモグラフィーの重要性は啓発されていますが、若年性乳がんや乳がんのタイプによってはマンモに映りづらかったり、判別しずらいタイプもあるようです。
特に若い時には豊かな乳腺にはばまれてマンモでは映らないケースがあるそうです。
エコー検査でよく映るタイプもあります。
だから疑いが100%晴れるまでは検査を受けてほしいです。
面倒でも、時間かかっても、お金がかかっても。
私は再検査に進んで本当に良かったと思ってます。
深く考えていなかったけど、ここで「多分良性だからいいや」で止めていたら進行していたと思います。
マンモグラフィーだけでは判断できないこともあります。
必要な検査は全て受けるようにしてくださいね。
shokaさん(女性)
結果は、
精密検査が必要です。
( ̄□ ̄;)ナント!!
一気に気持ちがドーンと沈みました。
こんな気持ちは早く手放したいので、早速病院に再検査の予約。
明日で予約が取れました。
今の私の希望は、再検査通知に添えられた一文。
「90%以上は良性・異常なしです。
」
この一文でかなり気持ちが楽になりました。
こんな時は昔に読んだ本の引き寄せの法則を試そうと思います。
だって、他にできる事ないですよね(笑)。
ぷぅみぃさん(女性)
ついに来た…検査結果がでる
またまた、母について行ってもらった。
まぁ覚悟はできてる…
どう考えてもおかしい形のおっぱい…
痛み…要素は揃ってるんだから…
予約時間より早く着いたが、やはり30分位待たされた。
診察室へ呼ばれ、今回は母と一緒に入る。
先生は難しい顔していた。
開口は、遠まわしには言わないよ…と
右側は悪性でした。
そしてリンパの腫れも同じ悪性のものです。
ただ、左側は良性で線維腺腫なので、このままでも大丈夫です。
と…
りかこさん(女性)
右の乳房にしこりがあるとわかったのは、
左乳がんの手術をした2年後
1年に1度の全身検査を受けたときだった
CT画像を見た主治医が、
「やっぱり右にもしこりがあるね~。
これ、去年も写ってたんだよね~」
と、はじめて耳にする言葉
『“去年”も?
なせその時、言ってはくれなかったのか...』
その時は様子をみることになったのだが、
さらに翌年、やはりしこりは確認できる
エコーで診ても、
悪性かどうかははっきりしない
「大きくはなっていないようだけど、
念のため、検査しようか」
...ということで、細胞診
主治医は一応、
「大丈夫だと思うよ」
とは言ってくれた
が、
病理の結果が出るまでは気が気ではない
『もし、右の乳房までがんだったら...』
再び、命の危機に晒されるのか...
右の乳房まで失ってしまうのか...
右腕まで不自由になってしまうのか...
当時、センチネルリンパ節生検は
保険適用外だったため、
腋窩リンパ節郭清が行われていた
そうなると、
ボウリングは完全に諦めなければならない
そんなことが頭の中で渦巻いた
それでも、
一度乳がんを経験しているからだろうか、
どこか冷静な自分もいた
1週間後の検査結果は、“良性”
毎年、全身の検査をするたび、
左乳房の局所再発と遠隔転移の不安とともに、
右乳房のしこりも気になっている
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