自分でできる乳がん予防法
「自分が乳がんになる」なんて、考えたこともない方も大勢いらっしゃることでしょう。 乳がんは日本人女性の11人に1人が発症する病気。それが自分に起きたとしても不思議ではありません。特に、30歳をすぎたら、他人事ではないと考えたほうが良さそうです。
まずは、食生活や生活習慣など、自分で始められる乳がん予防に取り組んでみてはいかがでしょうか? 自分でできる乳がん予防法をチェック知っておきたい乳がんのしこりの特徴
乳がんの特徴である胸のしこり。もしかしたら乳がんかも?と不安に感じてしまいますが、しこりの8~9割は良性のものと言われています。気を付けたい「乳がんのしこりの特徴」について紹介しています。
- 感触
- ゴリっとした石のような硬さ 良性のしこりと乳がんにはそれぞれ違う感触があります。良性のしこりは柔らかくて、コロコロと動くのが特徴です。乳がんはゴリっとしていて石が乳房に埋まっているかのようで動きません。
- 場所
- 乳房上部に発症しやすい 乳房の乳腺に発生する乳がん。乳腺は乳頭を中心に放射状に広がっているため、乳房全体に発症する可能性があります。特に乳房上部は乳がんが発症しやすい部位です。但し、それ以外の場所なら乳がんではないというわけではありません。部位ごとの割合をはじめ、より詳しく解説していきます。 乳がんが発生しやすい部位とは?
- 痛みは?
- 痛みを感じないケースが多い 初期の乳がんの場合、痛みを伴うしこりはほとんど発生しません。そのため触って痛みがあるしこりは乳がんである可能性が低いと言えます。ただし、痛みがあるしこりだと別の病気のリスクがあるので、いずれにしてもしこりを見つけた時点で病院を受診しましょう。 乳がんと痛みの関係は?
- 症状の似ている良性の病気
- 乳腺症 ホルモンバランスの影響でしこりの大きさが変わる乳腺症。女性ホルモンの分泌が過剰になると、乳房に痛みや張りを感じ、乳首から分泌液が出るといった症状が現れる病気です。乳腺症そのものは病気ではなく、治療の必要もありませんが、触った時のしこりの触れ具合や画像の見え方が乳がんと紛らわしいことがあるため、検診の時などには比較的指摘されることの多い状態です。
乳腺炎 産後の授乳期に発症しやすい乳腺炎。乳房に赤い腫れや痛み、しこりなどが現れます。乳腺に乳汁がたまって起こる「うっ滞性乳腺炎」と細菌が入って感染症を起こす「化のう性乳腺炎」の2種類があります。
乳腺繊維腫 乳腺繊維腫を発症すると、コロコロと動く痛みのないしこりが乳房にできます。10~30代で現れやすく、閉経後の女性にはほとんど見られません。がんになる可能性が低いため、治療しないケースも多くあります。 乳がんに似た良性のしこりとは?
しこり以外にも注意したい、乳がんの初期症状
乳がんの初期症状は胸のしこりだけではありません。次のような症状がある場合は、罹患の可能性が疑われます。セルフチェックの方法も紹介しているので、気になる症状をチェックしてみてください。
最近の乳がん事情
日本人女性のうち、実に11人に1人が乳がんを罹患すると言われており、30~60代女性の死亡原因のトップになっています(※)。罹患年齢で言うと、30代から罹患数が上昇しはじめ、40代後半~50代前半でピークを迎えます。家庭でも職場でも責任や負荷が重くなる、いわゆる「働き盛り」のタイミングで最も注意が必要となる疾患が、乳がんなのです。※情報参照元:国立がん研究センターがん情報サービス『がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2012年データに基づく)』 『女性の乳がん年齢階級別罹患率』
「良性」でも安心はできない…定期的な検診を
早期発見のためには定期的な乳がん検診が必要ですが、残念ながら1回の検診だけで、乳がんかどうかの正確な判断を下せるわけではありません。乳がんを患っていた女性著名人が亡くなったのは、いまだ記憶に新しい出来事ですが、触診・超音波(エコー)検査・マンモグラフィー検査、これら全てを受けたものの、最初は「良性のしこり」と診断されていたそうです。しかし、8ヶ月後に再検査を受けた時には、すでに脇へのリンパ転移をするほど進行していたとのこと。できるだけ、こまめな検診とセカンドオピニオンの受診を心がけておきましょう。
乳がんの予防法を見る乳がんのなりやすさチェックリスト
【監修ドクター】清水なほみ医師
ポートサイド女性総合クリニックビバリータ 院長
2001年広島大学医学部医学科卒業。広島大学附属病院産婦人科・ウィミンズウェルネス銀座クリニック・虎の門病院産婦人科など数多くの女性医療を経験し、2010年9月にビバリータを開業。(所属学会:日本産婦人科学会・日本性感染症学会・日本思春期学会・日本不妊カウンセリング学会)
出産経験のない人
授乳経験のない人
初産が高齢だった人
初経年齢が早い人
閉経年齢が遅い人
肥満の人(成人してから太った人)
喫煙、受動喫煙歴のある人
乳がんの家族歴がある人
閉経後に5年以上女性ホルモン補充療法を継続している人
乳がん対策のポイントは、なによりも早期の発見です。数多くの女性を診察してきた婦人科の専門医監修のもと、乳がんリスクのチェックリストを作成しました。
こちらの項目に4つ以上当てはまる方には、定期的な乳がん検診をお勧めします。また、乳がんについてより深く知りたい方は、こちらの原因・症状解説も参考にしてみてください。
【乳がんのセルフケア】自分でできる対策と予防法
免疫力を高める
乳がんを含めたさまざまながん治療では、『免疫力』が重要視されています。免疫とは、体内の異物を排除するために誰もが備えている能力で、細菌やウィルスに対する防衛手段です。手術・抗がん剤・放射線など、病院で施される治療のほとんどが外的な対処法であるのに対し、免疫力は人間本来の力を活かした、内的なアプローチです。免疫力のアップには、日頃の体調管理や睡眠時間の改善が必要です。そして、免疫力を高めることができる食品や栄養素も注目を集めているので、これらを積極的に摂ることも意識していきましょう。
免疫力アップで注目される『RBS米ぬか多糖体』とは
米ぬかとシイタケ菌を活性化させて作るRBS米ぬか多糖体。高い免疫調整作用が臨床試験で認められており、化学療法との併用による治療効果の向上や副作用の軽減も期待されています。
RBS米ぬか多糖体には、免疫の1つであるNK細胞を活性化させる働きがあります。NK細胞は体内を常にパトロールして、がん細胞やウィルスなど有害な物質を攻撃する細胞です。臨床試験において、乳がん患者にRBS米ぬか多糖体を1~2週間摂取してもらったところ、NK細胞の活性度が3倍になりました。免疫力を高める力が実証されたのです。今後さらに研究が進み、がんの予防に大いに役立つことが期待できます。
※米ぬか多糖体免疫研究会の資料請求フォームに移動します。
受付時間:月~金曜 9:30~17:30
「異常なし」で満足しないために乳がん検診を知る
乳がん検診で「異常なし」「良性なしこり」と診断されても安心できないケースがあります。こちらでは6つの乳がん検診について紹介。それぞれの検査方法とそのメリット・デメリットについて理解を深めましょう。
触診
触診とは医師が乳房に触れてしこりの有無を確かめる検査方法のことです。しこりの有無のほか、乳頭からの分泌物や脇の下のしこりをチェックしていきます。
マンモグラフィー検査
マンモグラフィー検査とは、乳房を透明のアクリル板で圧迫して行うX線検査です。年に1度を目安に行うことで、乳がんのリスクを40%軽減できると言われています。
超音波(エコー)検査
超音波を体内に発信し、体内を細かく映像化して検査する方法です。検査時に痛みがなく、X線検査のような被ばくのリスクがないので安全に検査することができます。
細胞診
細胞を採取し、乳がん細胞かを確かめる検査のことです。細い針を乳がんの疑いがある部分に刺して細胞を吸引する方法と乳頭からの分泌物を用いる方法があります。
組織診(生検)
マンモグラフィー検査や超音波検査で乳がんの疑いがあった場合に行う精密検査です。しこり部分に専用の針を刺し、細胞を採取して検査を行います。
遺伝子検査
遺伝子とがんの関係性を調べられる遺伝子検査。乳がんはBRCA1/2遺伝子が変異している場合に発症しやすいため、「BRCA1/2遺伝子検査」とも呼ばれています。
検診にまつわるみんなの不安な声とその対策
検診で良性と診断されても痛みがあったり、少し大きくなっている気がしたり、不安はなかなか拭えないもの。こちらでは同じような悩みを抱えている方や乳がんを克服した方の体験談、不安を解消する予防法について紹介します。
しこりがありますが、いま妊娠中です。
良性と診断されましたが、ズキズキと痛みます。気にし過ぎるのはお腹の赤ちゃんに悪いと知りつつも、不安でたまりません。
マンモでしこりの石灰化が見つかりました
精密検査を受けてみると乳がんと診断。愕然としましたが、転移がない初期段階で発見できたのが不幸中の幸いでした。
乳がんの発症リスクを高めてしまう原因とは?
乳がんの発症には「エストロゲン」という女性ホルモンが深い関わりを持っています。それは乳がん細胞がこのエストロゲンに反応して増殖してしまうため。こちらではエストロゲンや発がん性物質などが発症リスクを高める原因について解説します。
遺伝
乳がん患者のうち5~10%が遺伝による乳がんです。乳がんを引き起こす遺伝子や子供に遺伝する確率をまとめました。また、がんを発症しやすい遺伝子を持っているかを確かめる「遺伝子検査」のリスクについても紹介します。
出産経験の有無
出産後はエストロゲンの影響の受けやすさに変化が出るため、出産経験の有無で乳がんの発症率に差が生まれます。その差はおよそ2倍にもなるそう。また初産の年齢や授乳経験の有無でも乳がんの発症リスクが変わってくるとされています。
初経と閉経の年齢
生理中はエストロゲンの分泌量が特に多くなる期間です。そのため初経が早かった人、また閉経が遅かった人ほどエストロゲンにさらされる期間が長くなり、乳がんの発症リスクは高まると言われています。発症率の差をまとめました。
ピルなど対外からの女性ホルモン摂取
ピルを服用している方や閉経後に女性ホルモン補充療法を受けている方は、わずかながら乳がんの発症リスクが高まるという研究結果が出ています。服用または治療期間が長い方ほど発症率・死亡率が高まるというデータもあるのです。
肥満
主に卵巣で生成されるエストロゲンですが、一部は脂肪組織で作られています。閉経後は卵巣では生成されず、脂肪組織で作られる量が増加。そのため脂肪が多い女性ほどエストロゲンの分泌量が多くなり、乳がんのリスクを高めてしまいます。
喫煙・受動喫煙
さまざまな病気のリスクファクターであるたばこは発がん性物質を大量に含んでおり、乳がんの発症リスクを高めます。また身近に喫煙者がいる場合、本人が非喫煙者であっても発症リスクは増加してしまうのです。
もし乳がんになったら。乳がん治療の予備知識
検診で異常なしと診断されていても、乳がんが発症する可能性は0ではありません。「良性と判断されたしこりが実は乳がんだった」ということもあり得るのです。万が一乳がんになってしまった場合に備えて、必要な知識を身に付けておきましょう。
進行とステージ
乳がんはしこりの大きさやがんの進行の具合、転移の状態によってTis期とステージ0~4に分類され、治療法がそれぞれ異なります。ステージごとの特徴や治療法を紹介していくので、参考にしてくださいね。
治療の種類
乳がんの三大治療とも呼ばれる「外科療法」「薬物療法」「放射線療法」をまとめました。また、副作用の少なさから注目されている治療法「免疫療法」や免疫力を向上させることの重要性について分かりやすく解説しています。
治療の副作用
「抗がん剤治療(化学療法)」や「ホルモン療法」、「抗HER2療法」といった薬物療法にはさまざまな副作用があると知られています。特に現れやすい副作用や不快な症状を和らげる有効成分「RBS米ぬか多糖体」についてまとめました。
再発・転移の可能性
多い乳がんの再発・転移についてまとめました。意外と知られていない再発と転移の違い、それぞれの自覚症状や治療法、また再発・転移を予防する方法も紹介。再発・転移のリスクを軽減するために、ぜひ参考にしてくださいね。